テレビでもおなじみの南禅寺水路閣です。特に2時間サスペンスでおなじみ。赤レンガで作られたアーチは、まるで古代ローマのような雰囲気で日本ではないどこかのよう。

この水路閣はなんと南禅寺の境内にあるんです。

重圧な禅寺の境内に近代技術の礎がある。木造の建築物とレンガ造りのアーチ橋・・・。ミスマッチと思いきや、そのアンバランスさになぜか心が震えます。
きっと、南禅寺が建立された鎌倉時代も、水路閣が作られた明治時代も、平成の私から見ると「大昔の建造物」だからでしょうね。
研究家には怒られるかもしれませんが、それが100年前であろうと、800年前であろうと、壮大なことには代わりはなく。まったく違う風情のものなのに、同じ日本人が造ったのだと思うと不思議な気持ちです。
この水楼閣を作った100年前の人たちと同じように南禅寺を見ている私。人が繋ぐ時の流れにロマンを感じるのでした。
さて、水路閣です。このアーチ橋は、琵琶湖の疏水を京都市内へ引くため、明治時代に作られたものです。
あまりにも有名なショットですが、すこしずれてしまいました・・・!この日は観光客も多くて、写真を撮るのもひと苦労・・・。

この水路閣は桜の日でも青葉の日でも紅葉でも雨でも、きっととてもいい趣があると思いますので、むしろシーズンオフの人が少ないときがねらい目だと思いました・・・。
着物レンタルなどしてしっとりと回るのもいいなあ、と思います。

アーチ橋の上にも上がってみました。

ちなみにこの琵琶湖疏水は、明治時代にとても莫大な費用をかけて、琵琶湖から伏見までを繋いだ水路です。
明治維新によって政治の中心が京都から東京へ移り、京都の産業が衰退したのを危惧した当時の府知事が計画したのだそうです。水力発電や灌漑(かんがい)、上下水道などに使われたそうです。
景気回復のための公共事業といえば実も蓋もない気がしますが、でも、明治時代の近代建築はとてもとても大好きです!!
来たる東京オリンピックのために何か建築するのなら、ぜひこのような「近代レトロ」な風合いも吟味してほしい・・・、などと思う素人でした。

こちらは琵琶湖方面です。

こちらは院蔵院の方面。
橋ひとつとっても、自然との調和が素敵でした。
旅データ
- アクセス:地下鉄「蹴上駅」から徒歩10分
- URL:http://www.nanzen.net/keidai_sosui.html