京都を代表する観光スポットのひとつ、平安神宮へ行ってきました。春と秋の谷間のシーズンオフなので多少はゆっくり回れるかな…と、期待しての9月です。
地下鉄東西線「東山駅」下車。駅を上がると三条通なので、そのまま神宮通に交差するところまで行けば、もう目の前には大鳥居。

有名な大鳥居です。間近で見ると、本当に大きい。
そして、青空と朱色のコントラストがとても美しくて、思わず立ち止まってしまいます。
こちらは大鳥居の南にある慶流橋(けいりゅうばし)の上です。琵琶湖疎水の上にかかっており、南禅寺の方面は山の青さがとてもきれい。

さて、大通りをくぐって真っすぐ進み、二条通を渡るといよいよ平安神宮です。

何もかもが広いです。シーズンオフでこの賑わいなので、紅葉の頃になるとここまでのんびり散策はできないのかも。

そして、とても意外だったのが、平安神宮は明治28年に創建されたという事実。わりと新しい建物でした。ご祭神は平安京を造られた第50代桓武天皇と、大政奉還を受けた平安京有終の天皇、第121代孝明天皇です。

由緒も拝見して、いざ、応天門前です。

応天門の周囲はきれいな芝生がある広場で、子連れの方が遊んでいたり、何かの団体さんがイベントをしていたり、にぎやかです。結婚式帰りの着物のお嬢さん方もおられました。
応天門を入ってすぐ左手に授与所があり、まずはそちらで御朱印をいただきました。

紫宸殿前広場の白と青と朱とねずみ色のコントラストが美しいです。こちらは正面。重要文化財の大極殿(だいごくでん)です。

右近の橘。

いろいろな神社でこの「左近の桜、右近の橘」を見かけますが、もともとはここ平安神宮の紫宸殿前庭のこの橘と桜が始まりです。
左近の桜。

大覚寺では左近が梅になっていたのが不思議だったのですが、もともと平安遷都のときは左近は梅だったようです。その後、さまざまな事情があり桜になってしまった模様。
大極殿から応天門を振り返ります。

応天門の外にも手水舎はありましたが、紫宸殿前広場のそれは龍を模しています。東側が蒼龍。

蒼龍の手水舎がある東側には神楽殿があります。結婚式はこちらで挙げられるそうですよ。

その奥にあるのが蒼龍楼。

また、この神楽殿と蒼龍楼の間に「神苑出口」があり、最初に見たときは「?」となったのですが…。

神苑については後々触れることにして…。
続いて紫宸殿前広場の西側。西側の手水所は白虎です。

西側にあるのは額殿(がくでん)です。その向こうには白虎楼と、神苑の入り口があります。

平安京が蒼龍・白虎・朱雀・玄武のいわゆる「四神相応の地」とされたことより、これらの名前はつけられているそうです。
さて、ここまでは参拝無料です。紫宸殿前広場だけでも充分な見ごたえがありますが、今日は神苑も拝観します。紫宸殿前広場の西側に神苑の入り口があります。

神苑とは、東・中・西・南の四つの庭からなっている総面積1万坪の広大な池泉回遊式庭園です。拝観料は600円です。参拝時間は季節によって違いますので、ご確認ください。
入口の灯篭も凝っていますね。

朱塗りの門が色鮮やかです。

入口から入ってすぐのエリアは南神苑にあたるようです。

八重紅枝垂桜の看板がありました。よく写真で見るあの桜ですね。

しばらく道順に沿って進むと、東屋のようなものが見えてきました。

観光ピークではない9月半ばの午後なので、参拝客は少なかったです。桜やもみじの頃ならこの東屋も観光客でいっぱいなのかもしれませんが、今日はゆっくりと立ち寄れました。
さらに進むと、時代を感じる電車が置いてあります。

なんとこの電車、日本最古の「チンチン電車」なんですって!「なぜ、突然ここに?」と思いましたが、琵琶湖疏水の水を利用して発電した電力を用い、日本で初めて市内を走行したそうですよ。

古いものがたくさんあるというイメージが強い京都ですが、明治以降のめまぐるしい近代化があってこその現代なのだろうと思います。
チンチン電車を通り過ぎると、こちらには春の七草と秋の七草がありました。

池のほとりをぐるりと回ります。

個人的な感想では、このあたりをぐるりと周ったら神苑参拝は終了、さっき入った入口から紫宸殿広場へ戻るのかと思っていました。
でも、まだ順路は続いていくようです…。

このあたりは「平安の苑」です。茶室「澄心亭(ちょうしんてい)」の看板で現在地を掴めました。

このあたりから西神苑に入っていきます。

かなり日が傾いてきたのもあり、幻想的すぎる空間に進むのをためらったほどです。えっ、このまま歩いていって大丈夫かしら、ちゃんと紫宸殿前広場へ帰れるのかしら、南神苑にいたほかの観光客の方はどこへ行かれたのかしら…。
正直、本気で不安になりました。
このあたりはちょうど大極殿、内拝殿、本殿の裏側にあたるのですね。
さくさく歩いて、ようやく視界が開けました!

また(?)池なのですが、視界が開けてホッとします。ようやく、中神苑に到着です。
あっ、なんだか、橋が見えますよ!

臥龍橋(がりゅうきょう)です。

丸い石柱の橋です。この石柱は天正年間に豊臣秀吉が造営した三条大橋と五条大橋の橋脚の石材なのだそうです。

グラグラしませんが、飛び石のように配置されています。渡るのが不安な方は池に沿って歩いていけば大丈夫です。
池の向こう岸にはお茶屋さんが見えます。

人もいます!(そのくらい、西神苑では人気がなくてソワソワしました…)
スイレンの蕾をひとつだけ見つけました。

見ごろは8月ごろでしょうか。開花時期に合わせて来たいですね。
さて、臥龍橋を渡り切って、お茶屋さんに到着です。

お茶を一杯いただきたいところでしたが、残念ながらこちらのお茶屋さんは17時までということで、ゆっくりする時間がありませんでした…。
こちらも次回にゆっくり寄りたいなと思いつつ、東神苑へと進むことにします。
木々に囲まれていた南、西、中神苑と違ってこちらは視界がぱあっと開けています。あちらは泰平閣。美しい!!

後ろに見えるのは…大文字山でしょうか…?南禅寺方面、東の方向のはずです。
泰平閣の入り口です。

橋の上から平安神宮会館の方向。

テレビでよく見る、芸能人の結婚式披露宴会場…。そうか、ここだったのですね~。もう、ここで結婚式をやりたい。いや、自分が式を挙げるより、誰か友人に招待してもらいたい…。
こちらは東神苑の池。

本当に美しかったです。南神苑は桜、西神苑は花菖蒲、中神苑は紅葉、そしてここ東神苑は…

たぶん、いつ来てもいい。
雪景色もまたとても趣のあるようです。花の盛りはあまりない9月半ばも神苑は充分に目を楽しませてくれました。
平安神宮に来たなら絶対に神苑は行くべきです。大きな鳥居も広い紫宸殿前広場も目を奪われるほどの圧巻ぶりですが、神苑の自然と人工の調和は贅沢の極みだと思います。
ぐるりと歩くのに小1時間くらいでしょうか。
ようやく出口です。

ここから出て、ようやく紫宸殿前広場、神楽殿の横にあった「こちらは神苑出口」の看板が「ああ、ここだったのか!」となりました。(実は地図も持たずに神苑を散策していたので…)
まさか南から東まで一周ぐるりと歩いているとは(そのときは)気づかず、そりゃあ歩くはずだよ!と、出てから仰天した次第でありました。
参拝前に授与所で地図をいただくこともお忘れなく。
旅データ
- 拝観料:600円(神苑)
- アクセス:地下鉄東西線「東山駅」から徒歩10分
- URL:http://www.heianjingu.or.jp/
