真冬の嵐山、大覚寺へ行ってきました。嵐山は何度も何度も訪れていますが、大覚寺は初めてです。地元の方にはあまりにも有名なこのお寺ですが、駅からはバスでのアクセスなので、私が今まで訪れたことがなかった理由です(徒歩だと20分以上はかかります)。
大覚寺へは嵐電嵐山駅や嵯峨嵐山駅などからアクセスできますが、今回は阪急嵐山駅から大覚寺を目指しました。

駅を出て西側(バスターミナル)にある大覚寺行きのバス停へ。大覚寺行きのバスは京都バス(64,94系統)と京都市バス(28系統)が運行しています。無事バスに乗車して数駅で大覚寺です。バスの停留所を降りるとすぐに入口があります。

大覚寺とは、弘法大師空海を宗祖と仰ぐ真言宗大覚寺派の本山です。もとは嵯峨天皇の離宮でもあり、とにかく贅沢に作られているような気がします。広さで言えば、奈良の薬師寺のほうがずっと広いと思いますが、あちらは大陸風の広さ。ここ大覚寺は純和風の広さです。

この堀は大沢池に続くわけですね。
ようやく門をくぐり、

総合案内所までの前庭へ。

嵯峨御流のいけばなが飾られています。

嵯峨天皇が大覚寺の大沢池で可憐な菊を殿上の花瓶に挿されたことがいけばな嵯峨御流の始まりとされているのだそうです。
さて、総合案内所で拝観受付をすませ、いよいよ境内です。境内というよりは大邸宅へお邪魔している気分です(文字通りそうなんですが)。
まず入ってすぐのところに、ちょっとしたお土産ものと、吉本興業とタイアップしている「大覚寺カフェ」なるプロジェクトについての説明がある休憩室があります。大覚寺カフェは期間限定でオープンしているのかもしれません。

帰りのバス待ち時間にここを利用させていただきました。
さて、まずは宸殿(しんでん)です。

廊下・広縁はすべてうぐいす張りとなっていて、キュッキュキュッキュと鳴きました!
徳川2代将軍秀忠の娘、東福門院和子が使用していたものです。室内も公開しているので襖絵なども楽しめます~。女性のお部屋だからか、襖絵によく見かける「よくわからない中国の昔の老人」の画風はありませんでした。(´ω`*)
そしてもちろん、右近の橘と左近の

・・・梅??
左近の桜ではなく梅でした。とにかく広い。贅沢なお庭です。こちらは御影堂(みえどう)と正寝殿(しょうしんでん)が見えます。

諸堂を結ぶこの回廊は村雨の廊下(むらさめのろうか)といいます。

縦の柱を雨、直角に折れ曲がっている回廊を稲光にたとえています。天井が低いなあと思っていたら、刀を振り上げられないように低く造られているんですって!もちろん床はうぐいす張りです。
そしてこちらから見えるお庭には先日降った雪がまだたくさん残っていました。

本当、広いですね~。赤い建物は「霊明殿」です。もちろんこの回廊を通っていきます。こちらは日当たりがよいのか、すっかり雪も解け、〇代天皇が植えた〇〇、などという草木があちこちにあります。

小さな滝のような水の流れもあります・・・。

ようやくたどり着いたのが「霊明殿」。朱塗りは平成15年に復元できたそうですよ。

お庭の梅もつぼみをつけてきています。

ええともう、迷子になりそうですが、梅の木の向こうに見えているのが、最初に訪れた宸殿の後ろ側になるんですね。これでぐるーりと一周回ったかと思い、案内所を出て大沢池のほとりへ出ました。

広~い!カモがいる~!なにか龍神のような船もある~!!

などと喜んでいたら、明らかに私は行っていないお堂が池に向かってせり出しているではないですか!

案内所でいただいた境内の案内を見ると、「五大堂(ごだいどう)」と書かれています。池に張り出すように広いぬれ縁(観月台)があり、大沢池の眺望がすばらしい、とも書かれています。
あれっ・・・あのぬれ縁にはどうやっていくの・・・?
まさかのお寺で迷子になりました。案内所まで戻り、「五大堂へ行きたいのですが」と聞いて、回廊の渡り方を教えていただきました・・・。こんなことも初めてでした・・・。教えていただいた通りに御影堂から右に回廊を渡ります・・・。

さっきも通ったのにこの渡り廊下は気づかなかったのかしら・・・。そしてここから御影堂へ寄るときに「安井堂天井雲龍図(やすいどうてんじょううんりゅうず)はぜひ見るべきよ!」と、案内所の方に教えていただきました。
天井に雲龍が描かれているのです。寝殿でもそうですが、基本誰もいないので、どこまで入っていいのか非常にためらいます。こちらの雲龍も教えていただかなかったら、きっと周囲の回廊をぐるっと歩いただけだっただろうなあ。
雲龍は運気が上がるともいわれてるそうです。しっかり拝んできました!
そんなこんなで苦労してたどり着いた観月台。大沢池が一望できてとってもきれい~!でも、寒い・・・!私が立っている間もぬれ縁の雪除けをされていました。床が滑るので怖い・・・。
そんな真冬のぬれ縁に茅の輪くぐりがあるではないですか!茅の輪くぐりといえば6月ですが、どうして2月に・・・?

わかりませんが、作法に従って茅の輪くぐりをしてきました。最後に観月台のそばにある「はなびらむすび」も納めてきました。

絵馬のようなものですね(紙ですが)。フルネームとお願いごとを書いて結びつけます。ピンクの花びらなのでたくさんの方が結びつけるとよりかわいかったです。

私もかじかむ手で必死に書いてきました!
寒い寒い雪の大覚寺でしたが行ってよかった~!嵐山駅から少し離れていますが、ぜひ、ぜひおすすめします。こんな離宮で過ごせたら優雅だなあ、と思いました。
旅データ
- アクセス:大覚寺バス停から徒歩2分
- URL:https://www.daikakuji.or.jp/
