安楽寺のくさの地蔵さまの「地蔵縁日」へ行ってきました。
安楽寺といえば、容姿端麗で教養にもあふれていた松虫姫と鈴虫姫が出家をしたお寺(※)。さらに、毎年7月25日に行われる「鹿ヶ谷のカボチャ供養」でも有名なお寺ですね。
※厳密には、現存されている安楽寺から数キロ離れた『鹿ヶ谷草庵』にて剃髪されたそうですが、両姫の出家に激怒した後鳥羽上皇により草庵を結んだ上人たちが処された後その草庵は荒廃。後に法然上人が復興したのが、この『住蓮山 安楽寺』となるそうです。
安楽寺までは四条河原町駅6番出口から出て、京都市バス203乙系統に乗車。錦林車庫前で下車します。バス停は白川通にあるので、さらに東へ歩くこと10分ほど。まずは「哲学の道」につきました。
夏の哲学の道も緑がきれいです。
立札や付近観光案内図も至るところにあって助かります…。
哲学の道散策もとっても魅力的ですが、今回はさらに山へ向かいます。
距離はさほどありませんがわりと急こう配です。今でこそ四条河原町からバスに乗ると数十分でここまで来れますが、鎌倉時代当時はさぞ「山奥」の「庵」だったのでしょうね。
さあ、安楽寺到着です。
自転車がたくさん停まっています。
山門横に「地蔵縁日」の立札がありました。
山門をくぐるとすぐ左手に受付があり、こちらで拝観料の500円を納めます。
そのときに、由来が書かれたリーフレットとお雑煮引換券をもらいました。
なんと。お雑煮を振る舞っていただけるようです。楽しみ!
さて、入るとまずは、「地蔵盆からお参り下さい」との立札がありました。写真の奥に見えているのが客殿らしく、にぎやかな声が聞こえてきます。
矢印に沿って進みます。すると、くさの地蔵さまがおられました。
なんだか、色使いがとってもかわいらしいです。くさの地蔵さまは、皮膚病や腫瘍平癒にご利益があるようです。
お供えものがとてもかわいらしい。手編みのお地蔵さまたちもかわいいですね。
この二人の女の子は、松虫姫と鈴虫姫なんでしょうか?カボチャのようにも見えます。
くさの地蔵さまのお向かいに手水舎がありました。
柄杓が手づくりでした。
こちらが本堂。
本堂から振り返ってみます。
きれいに整えられたお庭には、大きな足跡がある石がありました。
平べったい石にふたつの足跡がかたどられていました。「佛足石」と書かれているので、仏さまの足あとということなんでしょうね。
では、本堂へ入ります。となりの客殿の声も遠くなるほど、すっとした空気の漂う本堂にも、もうワークショップがありました!
こちらは何の手作り体験をさせていただけるのかちょっとわからなかったのですが、さきほどくさの地蔵さまの前にたくさん並べられていたドロップ型をしたもののようです。
色付けをしたり、好きな形にしたりできる様子…?
地蔵縁日は、てっきりお寺の境内に露店を並べるフリーマーケットのようなものを想像していたのですが、全然違いました!
お寺の中のいたるところにこのようにして作品を並べて、手にとって、クリエイターの方々とお話をすることができるようになっています。
たとえばこちらは、焼き物と木工細工のお店。
奥様が焼き物、旦那様が木工細工を作られているそうです。とってもおしゃれなご家族でした。
こちらも、本堂横の廊下に作品が並べられています。こんなふうに板を渡したり。
消しゴム置き?の木彫りは非常にエキセントリックでした。
イスが点々と並べられています。
値札が置いてあるので、こちらも商品なんですね。
もう…、かわいい…!カメラのシャッターを押す手が止まりません。
このイスの廊下を進んだ先の本堂のお向かいの建物。こちらにもワークショップがあります。
シルク製品や絵葉書などが並べられていました。
オーガニックなお茶なども。
アロマやタロットカード、紅茶、お洋服などもありました。マッサージや整体のようなこともしてくださるショップもありました。
建物の奥にも庭が広がっており、本当に燃え立つような緑がきれいです。
紅葉の時期にはまた、違う色味で迎えてくれるのでしょうね。お堂には風がすっと通って、本当に気持ちが良いです。
もうずっとここにいてもいい…。笑
しばらくぼんやりとすごしたあと、渡り廊下を通って客殿へ向かいました。
この渡り廊下にもイスが置いてあり、自由に座ることができます。
客殿はこちら。
中に入ってみると、たくさんの人で賑わっていました!
こちらではお食事もできるようです。この日はタイ風のご飯が供されていました。入口で頂いたお雑煮引換券もこちらで渡すといただけるようです。
カフェスペースは2階にもありました。
こちらでご飯はいただかないつもりでしたので、2階には行きませんでした。
基本、常連さんと一見さんは半々というところでしょうか。一見さんなので蚊帳の外、というわけでは決してありませんが、やはりドキドキ感はあります。
ドキドキしながら近寄ると、みなさんフレンドリーに接してくださってホッとする、という繰り返しだったんですよ。
客殿の中にもワークショップはたくさんありました。こちらは木工作品。
畳三畳分のスペースなのがお分かりいただけますか!
はみ出して飾られていたこちらが、個人的に一番グッときました。
一輪挿しです。タチアオイ(…かな?)が、飾られていて、夏の花をこのように飾るととっても素敵だなあと見惚れました。欲しいけれど、飾れるようなおしゃれな自宅ではない…。(泣)
お隣はホホホ座のワークショップです!(こちらだけ名前を知っていました)
いろんな雑誌が並べられています。自由に手にとって、立ち読みしてもいいらしいですよ~。
今回は、京都のコトやごはん関係のお話が多かった気がします。この並べ方、取り揃え方が古書店。オリジナルのエコバッグもとても気になりましたが、今回は我慢。
こちらはお野菜など。
もうここまできたら叫びたい。
外国みたい!!!(いや、よく知りませんが)
ジャムや梅干しなどの加工食品もあります。
染物や編み物もありました。
子ども用のスカートがかわいかったです。
さて、お雑煮をいただきます。お食事はこちらのカウンターで受け付けてくださいます。
お雑煮だけは奥の厨房なので、お隣で引換券をお渡ししました。お水は天然水を汲み上げておられるそうです。
セルフでいただきます。冷たくっておいしい。そして、おしゃれ!!
しばらく待って、いただいたお雑煮がこちら。
白みそ~!!!甘いみそに七味がピリリときいて、本当においしかったです。
お寺という純和風の中で、純和風のものを取り揃えているのに、この異国情緒溢れるおしゃれ感は一体何なのでしょう。
においたつ自然に包まれて、どこからともなく漂うお香のいい香りや、周囲でさざめくいろんな人のお話とひかえめな子どもちゃんたちの歓声。
いろいろな国の方、いろいろな年齢層の方がおられるのもあってか、「誰が何をしててもいい、好きに過ごしていられる」、いう緩さはとても心地が良いのです。
この雰囲気にすっかり酔いしれました。
何度も足を運んで、少しずつ、この空気感に染まっていきたい…。そんな風に思いました。くさの地蔵縁日は、くさの地蔵さまのお誕生日にあたる毎月2日に開催されます。
青もみじもとってもきれい。
自然に包まれて、クリエイティブな世界に触れて、とてもとても贅沢な気持ちで満たされました。普段自分にないものに触れるというのは、本当に大切なことですね。
アーティスティックな空間ですが、見るだけ、味わうだけ、そんな気軽な気持ちで行っても全然大丈夫。安楽寺の「くさの地蔵縁日」は、一人旅の女性に本当におすすめします!!
ついでに、帰り道の哲学の道でもまた立ち止まってしまいました。
緑のトンネルですね。桜もきれいですが、緑もきれい。
木々たちの生命力をもらって、ますます、がんばろうと思いました。
旅データ
- 拝観料:500円
- アクセス:「錦林車庫前」「真如堂前」バス停から徒歩15分
- URL:http://anrakuji-kyoto.com/